シャドーイングがスピーキング力の向上に効果がある理由

シャドーイングはリスニング力だけでなくスピーキング力の向上にも効果があることをご存知でしたか？

これには科学的根拠がありますので解説したいと思います。

この機会にぜひシャドーイングも取り入れてみてください。

シャドーイングがスピーキングに効果がある理由

なぜシャドーイングがスピーキング力の向上に効果があるのか？その理由を解説します。

顕在記憶と潜在記憶

シャドーイングとスピーキングの関係を説明する際に次の2つの用語が出てきますので、まずはこれらを抑えておきましょう。

顕在記憶

顕在記憶とは、意識的に引っ張り出す必要のある記憶のことです。

例えば、次のような行動は顕在記憶を使っています。

これらの行動は常に意識を働かせて行っていますよね。

つまり、思い出そうとして思い出しているはずです。

潜在記憶

潜在記憶とは、無意識に引っ張り出せる記憶のことです。

例えば、次のような行動は潜在記憶を使っています。

これらの行動は意識を働かせなくても（考えなくても）できますよね。

つまり、思い出そうとしなくても思い出せるはずです。

この顕在記憶と潜在記憶のメカニズムを英語学習に当てはめて考えると、シャドーイングの本質的な効果がよく理解できます。

顕在記憶だけで英語を話すのは苦しい

顕在記憶と潜在記憶を「英語を話す」ことにフォーカスすると、次のような過程の違いがあります。

これらを見比べてみると、どう考えても顕在記憶を使って英語を話すのは大変ですよね。

潜在記憶を使ったほうが言いたいことがより早く口から出てきますし、ほとんど考えなくてよいためラクに英語を話すことができます。

つまり、顕在記憶ではなく潜在記憶を使って英語を話せるようになるのが理想だということ。

我々は日本語の文法を考えなくても日本語を話せますが、それと同じことを英語でも実現できればいいですよね。

それを可能にするトレーニングこそが「シャドーイング」。

シャドーイングがスピーキングに効果があると言われるのは、「潜在記憶」を鍛えることができるからなのです。

シャドーイングで潜在記憶を鍛える

シャドーイングは主に、音の変化に慣れるトレーニングですが、何度も繰り返すことで音声の中のフレーズが「潜在記憶」の中に貯えられていきます。

つまり、シャドーイングによってパッと引き出せるフレーズを増やしていくことができるわけです。

パッと引き出せるフレーズが増えていけばいくほど、英語を話すのがラクになっていきますよね。

毎回、単語と文法の知識を使って英文を組み立てるのではなく、いくつかの単語のかたまりであるフレーズがポーンと出てくれば、会話もスムーズに進むのは容易に理解できるはずです。

シャドーイングを行うことによって、こういう状態に持っていくことができます。

これがシャドーイングがスピーキング力の向上に効果がある理由です。

シャドーイングは何度も繰り返す必要がありますし、1回のトレーニングで触れることができる英文量は限られていますが、確実に潜在記憶を鍛えることができる点は他のトレーニングに勝るものがあります。

こうした理由から、シャドーイングはスピーキング力を伸ばすために、ぜひ取り入れたいトレーニングの一つです。

シャドーイングだけでは不十分

シャドーイングはスピーキング力の向上に効果があることがわかりました。

しかし、スピーキング力向上のためにシャドーイングしかやらないのはよくありません。

シャドーイングだけでは使える表現がなかなか増えていかないからです。

使える表現を増やすために、シャドーイングと平行してインプットとアウトプットを行いましょう。

単語や表現を覚える作業がインプットで、英文を作って口に出す作業がアウトプットです。

インプットとアウトプットはバランス良く行う必要があります。

インプットばかりでアウトプットが不足すると英語がすぐに口から出てこないですし、アウトプットばかりでインプットが不足すると表現の幅が広がらないからです。

インプットしたものはどんどんアウトプットしていくという意識で学習すると、より早くスピーキング力が向上します。

シャドーイングとあわせてうまく学習していきましょう。

まとめ

この記事では『シャドーイングがスピーキング力の向上に効果がある理由』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。

以上となります。