音読もオーバーラッピングもよく知られている練習法ですが、どちらをやればよいのか迷うこともありますよね?
結論から言いますと、音読とオーバーラッピングはセットで行うべきです。
この記事では、音読とオーバーラッピングをセットで行ったほうがよい理由とそのやり方について解説します。
正しく行えば相乗効果が期待できますので、ぜひ試してみてください。
音読とオーバーラッピングをセットで行う理由
まずは音読とオーバーラッピングをセットで行う理由について解説します。ここを理解してからトレーニングに入りましょう。
音読だけだと我流の読み方になってしまう
英語を音読していると、自分の読み方が本来の英語の読み方とは異なっていることがよくあります。
発音やイントネーション(抑揚)、リエゾン(音の変化)などが間違ったまま音読してしまっているケースですね。
音読している本人はそれに気付かず、「今日は100回音読した」などと満足してしまっていることもあるでしょう。
しかし、間違った読み方で音読を続けていても、効果は期待できません。
自分が持っている英語の音と本来の英語の音がズレていると、本来の英語の音が流れてきたときにそれを認識できないからです。
例えば、次の英文を音読するとします。
I read it.
(私はそれを読みました。)
この英文を「アイ・レッド・イット」と読んでいると、本来の英語の音「アイ・レディッ」が聞こえてきても、反応できません。
「レディッ」って ready のこと?
何で主語に直後に形容詞が来るの?
みたいになってしまいます。
こんな感じで間違った音で音読を続けていても、リスニング力は向上しません。
音読を長く続けているにもかかわらず、効果が感じられない場合は、我流の読み方になっている可能性があります。
我流の読み方をオーバーラッピングで修正
その我流の読み方を修正するのがオーバーラッピングです。
オーバーラッピングは、スクリプトの英文を見ながら流れてくる音声に一致させるように声に出すトレーニングで、これを音読と組み合わせることで音のズレを修正していきます。
音読でズレ → オーバーラッピングで修正 → 音読でズレ → オーバーラッピングで修正・・・
と続けることで、徐々にズレの大きさとその数を小さくしていきます。
これは僕が考えた方法で、オーバーラッピングの本来のやり方というわけではありません。
具体的な方法については後ほど解説します。
負荷が軽いので惰性になってしまう
音読を「ただ英語を読むだけ」と考えてしまうと、極めて負荷の軽い、単調な作業になってしまいます。
そして、繰り返す回数が多くなればなるほど、つい惰性でやってしまいがちです。
こうなると、先ほど説明したような我流の読み方に拍車がかかって、最後のほうは棒読みになっているかもしれませんね。
これでは100回やっても200回やってもほとんど効果はありません。
やり終えたことで満足するだけです。
どんな作業もそうですが、負荷が軽いとどうしても惰性になりがちです。
特に音読は一方向の作業ですので、どうしても単調になってしまいます。
こうした音読のデメリットを解消するために、オーバーラッピングを組み合わせるわけです。
オーバーラッピングで音読の単調さを解消
オーバーラッピングは音声にピッタリと合わせないといけないため、集中力が要求されるトレーニングです。
このオーバーラッピングを音読と組み合わせることで作業に変化が生まれるため、単調さを解消できるというメリットがあります。
特に英語学習においては集中することが重要ですので、単調な作業に変化を付けるというのはポイントです。
ぜひこの後にご紹介する方法を試してみてください。
「音読×オーバーラッピング」のやり方
音読のデメリットを解消するために、音読をオーバーラッピングと組み合わせるというお話をしました。ここではその具体的なやり方を解説します。
音読とオーバーラッピングを交互に行う
やり方はシンプルで、次のように音読とオーバーラッピングを交互に行うだけです。
音読 → オーバーラッピング → 音読・・・
次の手順で行います。
- 英文を何度も聞き、単語や文法、意味などわからないところをなくす
- 音読 → オーバーラッピング → 音読・・・の順番に繰り返す
①の作業を行うのは、よく理解していない英文で音読やオーバーラッピングを繰り返しても効果が薄いからです。
②では「発音」「抑揚」「音の変化」に注意を払いながら、モデル音声とほぼ同じように言えるまで繰り返します。
アレンジしてもOK
やり方は多少アレンジしてもかまいません。
例えば、次のように音読とオーバーラッピングをそれぞれ2回ずつにしてもよいですね。
音読 → 音読 → オーバーラッピング → オーバーラッピング → 音読 → 音読・・・
ただ、10回ずつなど同じ作業が続いてしまうと、自分の音とモデル音声のズレが把握しくくなるので避けましょう。
シャドーイングを加えてさらに効果アップ
音読とオーバーラッピングのトレーニングを十分行ったら、次にシャドーイングをやることをおすすめします。
英文が正しく読めるようになっている状態ですので、シャドーイングもスムーズにできるはずです。
今度は文字に頼らず音だけを頼りに英文を追いかけますのでより難しくなります。
しかし、実際のリスニングでは文字情報はありませんので、シャドーイングまで含めたトレーニングは非常に有効です。
僕はリスニングの勉強法として、音読、オーバーラッピング、シャドーイングの3つをセットにして行うことをおすすめしています。
リスニングの勉強法およびシャドーイングのやり方については以下の記事を参考にしてください。
音読を録音してズレていないか確認する
我流の音読をオーバーラッピングで修正したつもりでも、実際にできているかどうかは客観的にはわかりません。
そこで、自分の音読を録音して確認することをおすすめします。
自分の声を聞くのは恥ずかしいものですが、やってみると必ず気付きがあるはずです。
僕も自分の声を録音して聞いてみることがありますが、思ったほどできていないことにがっかりすることがあります。
自分では完璧だと思っていても、録音した音声を聞いてみるとボロボロ。
でも、それは改善するためのよい機会ですので、ためらわずにやるべきです。
声を録音すること自体、面倒なことですが、絶対やったほうがよいことは僕の経験から言えます。
ICレコーダーなど、声を録音できるものであれば何でもかまいませんので、一つ用意しておきましょう。
まとめ
この記事では『音読はオーバーラッピングとセットで行うと効果的』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
音読とオーバーラッピングをセットで行うのは、音読での我流の読み方をオーバーラッピングによって正しい読み方に修正するためです。
音読とオーバーラッピングは次のように交互に行います。
音読 → オーバーラッピング → 音読・・・
音読とオーバーラッピングが終わったら、シャドーイングを行うとより効果的です。
音読が正しくできているかどうかを確認するために、ICレコーダーなどに自分の声を録音して聞いてみましょう。
以上となります。