リピーティングは英語学習法の一つとして知られていますが、やり方が人によって若干異なるため迷いますよね。
そこでこの記事では、僕が考える正しいリピーティングのやり方をわかりやすく解説します。
やれば確実に効果が出る方法ですので、ぜひ試してみてください!
リピーティングについて
まずはリピーティングの基本的なことについて確認しておきましょう。
リピーティングとは
リピーティングとは、流れてくる音声を一旦止めて、スクリプトを見ないで英文を口頭で再現する、英語のトレーニング法の一つです。
音読やオーバーラッピングと違って英文を見ないで行うことから、難度の高いトレーニングだと言えます。
どちらかというと、ある程度学習が進んでいる中級以上の方向けのトレーニングです。
スクリプトを見ながら行うトレーニングと定義している人もいますが、このブログではリピーティングはスクリプトを見ないで行うトレーニングと定義しておきます。
リピーティングの効果
リピーティングでは主に以下のような効果が得られます。
- 短期記憶力の向上
- スピーキング力の向上
- ライティング力の向上
- リスニング力の向上
では順に解説します。
短期記憶力の向上
音声の英文を忠実に再現するためには、音声が流れ始めてから発話するまでの間、英文を正しく記憶しておく必要があります。
そのため、短期記憶力が鍛えられるのがリピーティングの大きな効果の一つです。
ある程度まとまった分量の英語が流れてきても、その内容を記憶しておくことができるようになるため、実生活でのアナウンスやTOEICなどの資格試験のリスニング問題にも難なく対応できるようになります。
スピーキング力の向上
音声の英文を正確に再現するためには、単語や文法を考えながら英文を組み立てる必要があります。
単語や文法を考えないと単なる音の羅列を再現することになるため、トレーニングの意味がありません。
単語や文法を考えながら英文を組み立てるというのは、まさに英語を話す際の手順と同じですので、リピーティングを繰り返すことでスピーキング力が向上します。
ライティング力の向上
スピーキングもライティングも英文を組み立てるという点で同じです。
英文を口から出すか紙に書くかの違いに過ぎません。
スピーキング力が向上するわけですから、もちろんライティング力も向上します。
リスニング力の向上
英文を忠実に再現するためには、音声を集中して聞く必要があります。
そもそも音を聞き洩らしてしまうと、再現できないからです。
音声を集中して聞くのはリスニング学習の基本中の基本ですので、リピーティングはリスニング力の向上につながります。
リピーティングとシャドーイングの違い
リピーティングとともに英語学習法の一つとして広く知られているのがシャドーイングです。
端的に言うと、この2つには次のような違いがあります。
リピーティング → 音声を一旦止めて英文を再現する
シャドーイング → 音声を流したまた英文に付いていく
どちらが難しいかについては人によって意見が分かれているようです。
音声を記憶しておく必要があるのでリピーティングのほうが難しいという人もいれば、音声に遅れないで付いていく必要があるのでシャドーイングのほうが難しいという人もいます。
扱う素材の難易度によっても異なるので一概には言えないと思いますが、ともに効果的なトレーニングであることには変わりありません。
リピーティングの効果的なやり方
では、ここからリピーティングの効果的なやり方について解説します。やり方を間違えると思ったような効果は得られませんので、注意点も頭に入れながら行いましょう。
リピーティングのやり方(3つのステップ)
リピーティングは次の3つのステップで行います。
- 英文全体を何度も聞き、理解している状態にする
- 音声を1文だけ流して止め、口頭で再現する
- スクリプトで確認し、再度繰り返す
では順に解説します。
①英文全体を何度も聞き、理解している状態にする
まずは概要を把握するために、英文全体を通して何度か聞きましょう。
その後で単語や文法、意味を確認し、英文全体を何度も聞いて理解している状態にします。
この作業はリピーティングを始めるための下準備です。
これが終わったら次のステップでリピーティングを行います。
②音声を1文だけ流して止め、口頭で再現する
音声を1文だけ流したところで止め、聞いた英文を思い出しながら口頭で再現します。
ただ英文を口から出すのではなく、発音やイントネーションなど音まで忠実に真似るつもりで行うことが大事です。
最初はうまくできないかもしれませんが、1文全体が正しく再現できていると思えるまで繰り返します。
もし1文があまりにも長い場合は、区切りのよいところで止めて、そこまでを再現する形でもかまいません。
③スクリプトで確認し、再度繰り返す
正しく再現できているかどうかを確認するため、スクリプトを見ながらその1文の音声を聞きます。
間違ったところがあればそこを意識して、正しくできるまで再度繰り返しましょう。
この作業を英文全体に対して行います。
以上の3つのステップが基本です。
リピーティングは難度の高いトレーニングですので、うまくできなくても落ち込まず、できるようになるまで頑張って続けましょう。
リピーティングの注意点
リピーティングを行う際には次の2点に注意してください。
- 我流の発音にならないこと
- 音だけを覚えようとしないこと
では簡単に解説します。
我流の発音にならないこと
英文を正しく再現することに意識が向きすぎると、発音がおろそかになりがちです。
しかし、音声と自分の発音が異なっていると、今後同じ音声が流れてきても、正しく聞き取るのが難しくなります。
音まで含めて真似るのがリピーティングの正しいやり方ですので、注意して行いましょう。
音だけを覚えようとしないこと
文の構造を考えずに音の羅列を覚えようとするのはNGです。
英文には文法によって支えられた構造がありますので、必ず全体の構造を意識して発話するようにしましょう。
そうしないと英文の意味もつかみにくいですし、意味理解が曖昧なまま進めていても効果はないからです。
音と構造をセットにして英文を再現するように心掛けてください。
以上のような点に気を付けながらリピーティングを行いましょう。
繰り返しになりますが、正しく行わないと効果は得られませんので、注意してください。
リピーティングの教材の選び方
ここではリピーティングに適した教材の選び方とおすすめの教材をご紹介します。
リピーティングに適した教材の選び方
リピーティングで使う教材は次の条件を満たしたものを選びましょう。
- 簡単なもの
- スクリプトが付いているもの
- 発音が明瞭なもの
では簡単に説明します。
簡単なもの
リピーティングは音声から英文を再現するという高度なトレーニングのため、素材の英文はやさしいものを選びましょう。
読んで意味が100%理解できるのはもちろん、英文自体も平易な単語と文法で構成されているものが適しています。
中学レベルの素材がおすすめです。
スクリプトが付いているもの
簡単なものとはいえ、確認のためのスクリプトは必要です。
というより、スクリプトを見てその素材の難易度を判断すればよいと思います。
英文自体が平易なものを選ぶため、単語や文法についての解説は付いていなくてもかまいません。
発音が明瞭なもの
リピーティングは聞いた英語の音を再現する作業ですので、もとになる音声の発音は明瞭なもののほうがやりやすいです。
カジュアルな英語は聞き取りにくいので、慣れないうちは海外ドラマは避けたほうが無難でしょう。
学習者向けの教材やノンネイティブ向けのニュースなどは発音が明瞭なため、リピーティングに向いています。
リピーティングにおすすめの教材
最後にリピーティングにおすすめの教材をご紹介します。
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニングは、リピーティングに音読とシャドーイングを加え、一緒にトレーニングして相乗効果を得ようという教材です。
中学レベルの英文が使われていて、少し難しい語句には語注も付いていますので、初めてリピーティングに取り組む人でもスムーズにトレーニングできると思います。
ちなみに、この教材は『瞬間英作文』で有名な森沢洋介さんの著書です。
通訳メソッドで、話す力が飛躍的にのびる!英語リプロダクショントレーニング入門編
通訳メソッドで、話す力が飛躍的にのびる!英語リプロダクショントレーニング入門編は、通訳メソッドを取り入れた、スピーキング力を強化するための教材です。
リピーティングにシャドーイングとサイト・トランスレーション、およびリプロダクションを加えて、段階的にステップアップできるようにプログラムされています。
この教材はシリーズで販売されていますので、この入門編である程度トレーニングできたら、その上のレベルの教材に移ってもよいと思います。
まとめ
この記事では『リピーティングの効果的なやり方』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
リピーティングは、流れてくる音声を一旦止めて、スクリプトを見ないで英文を口頭で再現する、英語のトレーニング法です。
リピーティングには主に以下のような効果があります。
- 短期記憶力の向上
- スピーキング力の向上
- ライティング力の向上
- リスニング力の向上
リピーティングは次の3つのステップで行います。
- 英文全体を何度も聞き、理解している状態にする
- 音声を1文だけ流して止め、口頭で再現する
- スクリプトで確認し、再度繰り返す
リピーティングを行う際には次の2点に注意しましょう。
- 我流の発音にならないこと
- 音だけを覚えようとしないこと
リピーティングで使う教材は次の条件を満たしたものを選びましょう。
- 簡単なもの
- スクリプトが付いているもの
- 発音が明瞭なもの
リピーティングにおすすめの教材は以下の2つです。
- みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
- 通訳メソッドで、話す力が飛躍的にのびる!英語リプロダクショントレーニング入門編
以上となります。