英会話の学習法の一つに「ロールプレイ」がありますが、どうせやるなら効果的なやり方で取り組みたいですよね?
そこでこの記事では、英会話で活かせるロールプレイのメリット、および、ロールプレイの具体的なやり方について解説します。
1人でもできますので、ぜひ試してみてください!
ロールプレイの概要
トレーニングを始める前に、まずはロールプレイの概要について把握しておきましょう。
ロールプレイとは
ロールプレイとは role(役割)と play(演技)を合わせた言葉です。
つまり、英会話学習におけるロールプレイとは、設定されたシチュエーションで与えられた役割を演じる、英語を話すトレーニング法になります。
例えば、「ホテルの予約」という会話を設定すると、次のようなやり取りが考えられるでしょう。
【客】予約を取りたいのですが。
【スタッフ】かしこまりました。いつのご予約でしょうか?
【客】〇月△日から2泊です。
【スタッフ】申し訳ございません。〇月△日は満室でございまして。
このような感じで会話が続いていきますが、この一連のやり取りの中で、自分が「客」または「スタッフ」になりきって、英語で会話をするというのがロールプレイになります。
いろんなシチュエーションで本番を想定したトレーニングができるのが、ロールプレイの良いところ。
独学で英会話を勉強しているなど、会話をする相手がいない場合は、一人二役の「1人ロールプレイ」を行います。
ロールプレイのメリット
英会話の上達に効果的なロールプレイですが、主に次の2つのメリットがあります。
- 実際の状況に合った表現を引き出しやすくなる
- 実際の状況で足らない部分を知ることができる
では順に説明します。
実際の状況に合った表現を引き出しやすくなる
ロールプレイを行うことで、実際の会話で状況に応じた表現がパッと出てくるようになります。
なぜなら、ロールプレイは本番を想定したトレーニングだからです。
逆に、何も状況がない中で表現だけを単体で覚えても、必要な時にその表現を瞬時に引き出してくるのは難しいでしょう。
覚えているけど使えないのはもったいないですよね。
また、だからと言って、実際の会話において即興で一から英文を作るというのも容易ではありません。
もちろん、瞬間英作文などのトレーニングによって英文を作る瞬発力を付けるのも有効ですが、やはり限度があります。
こうした理由から、どんなスピーキング練習をするにしても、最終的にはロールプレイはやっておくべきです。
実際の状況で足らない部分を知ることができる
どれだけたくさん単語や表現を覚えたとしても、それだけで本番を乗り切れるわけではありません。
なぜなら、ロールプレイのときにはじめて気付く単語や表現もあるからです。
例えば、「空港のチェックイン」というシチュエーションでロールプレイするときに、係員からの次のような質問が想定できます。
手荷物に壊れ物は入っていますか?
しかし、「手荷物」や「壊れ物」は英語で何と言えばよいのか知らなくて、ロールプレイの台本を作るときにはじめて気付くというケースです。
そこで調べてみて
手荷物 → luggage
壊れ物 → fragile items
だと知ることになります。
旅行に関する表現集などで単語や表現をたくさん覚えたつもりでも、実際にはまだまだ足りない部分があって、ロールプレイをやったからこそ知ることができた単語や表現が必ず出てくるわけですね。
もちろん、表現をたくさん覚えることは英会話学習においては大事なことですが、それだけで事足りるわけではありません。
そこを埋めてくれるのがロールプレイなのです。
ロールプレイを始める前に済ませておきたいこと
ロールプレイを始める前に済ませておきたいことがあります。
それは
文法をマスターしておくこと
です。
文法をマスターしておかないと、ロールプレイで正しい英文を作ることができません。
だからと言って、その都度文法書を引き出して調べたりするのは非効率です。
できれば瞬間英作文などで知識としての文法を使える文法にしておくと、よりスムーズにロールプレイに入っていけます。
このように、ロールプレイをやるときは、文法ではなく表現に意識を向けることができるようにしておきましょう。
ロールプレイのやり方
自分一人でロールプレイができるよう、ここでは一人二役の「1人ロールプレイ」のやり方について解説します。
1人ロールプレイの効果的なやり方
1人ロールプレイは次の5つのステップで行います。
- 台本(スクリプト)を作る
- 台本(スクリプト)を音読&暗唱する
- 役割Aを演じる
- 役割Bを演じる
- 役割Aと役割Bの両方を演じる
では順に解説します。
台本(スクリプト)を作る
まずはロールプレイで使う台本(スクリプト)を作りましょう。
自分が練習したいシチュエーションでの会話を考え、台詞を書き出します。
用意する台本(スクリプト)は次の4種類です。
スクリプト(1)→ 役割Aを演じるときに使う
スクリプト(2)→ 役割Bを演じるときに使う
スクリプト(3)→ 役割Aと役割Bの両方を演じるときに使う
スクリプト(4)→ 確認用
すべて自力で作るのは難しいと思いますので、英会話表現集などの市販の書籍やネットなどで調べて完成させます。
台本ができたら、次のステップに進んでください。
台本(スクリプト)を音読&暗唱する
ロールプレイに入る前に、作成した台本(スクリプト)の日本語を確認し、英語を音読および暗唱します。
この作業を行う目的は次の2つです。
- 口を慣らすこと
- 英語を頭に入れること
これらを行うことでロールプレイがスムーズにできるようになります。
暗唱ができるようになったら、次のステップに進んでください。
役割Aを演じる
ロールプレイの本トレーニングです。
まずはAさんの役割から。
スクリプト(1)を使い、空行になっているAさんの部分を英語で話します。
日本語で書かれているBさんの台詞は見るだけでかまいません。
自分が話した英語が正しいかどうかをスクリプト(4)で確認し、スムーズにできるようになるまで繰り返したら、次のステップに進みます。
役割Bを演じる
次はBさんの役割。
スクリプト(2)を使い、空行になっているBさんの部分を英語で話します。
要領はAさんの役割と同じです。
終わったら次のステップに進みます。
役割Aと役割Bの両方を演じる
最後にAさんとBさんの両方の役割を演じます。
今度はスクリプト(3)を使い、AさんとBさんの両方の台詞を一人二役で英語で話します。
全体がスムーズにできるようになるまで繰り返したら、ロールプレイは終了です。
以上、5つのステップがロールプレイのやり方になります。
作成した台本(スクリプト)は保存しておき、ある程度期間をおいてからその都度やるようにしましょう。
忘れた頃にやるのがいいですね。
難しい場合は教材を使う
もしロールプレイのための台本(スクリプト)を自分で作るのが難しいというのであれば、市販の教材を利用するのも一つの方法です。
最初からロールプレイができるように構成された書籍が販売されていますので、そうしたものを探してみましょう。
たいていCDなどの音声が付属していますので、それを使って練習するのが基本です。
ただ、市販の教材にはデメリットがあります。
それは
自分に必要なシチュエーションが含まれているとは限らない
ということ。
こればかりは仕方がありません。
一応、目次を見て内容をサッと確認したほうが良さそうです。
おすすめの教材を2つ紹介しておきます。
いずれも一般的な会話のやり取りとよくあるシチュエーションが取り上げられていて、ロールプレイを通して日常会話を体感できるようになっているのが特徴です。
自分が必要とするシチュエーションで行う
自分にとって必要性の高いシチュエーションを優先的にロールプレイしましょう。
そうすることで、自分が使う可能性の高い表現を効率的に練習することができ、ロールプレイの効果をより早い段階で実感できます。
例えば、
- ホテルで働いている
- 飲食店で働いている
- タクシーの運転手をしている
- 海外旅行に行く予定がある
- 道案内ができるようになりたい
など、自分と関わりの深いシチュエーションを設定してみましょう。
目標もより明確になるため、モチベーションアップにもつながります。
ロールプレイを行う際の注意点
ロールプレイを行う際には次の2点に注意します。
- 場面をイメージしながら行う
- 発音やイントネーションに気を付ける
特に発音やイントネーションは、話の内容に意識を向けすぎるとおろそかになりがちですので、数稽古をして正しい音でロールプレイできるようになりましょう。
とにかくロールプレイ中は実際の会話に参加しているという意識で行うことが大事です。
ロールプレイの効果を最大限に高めるために
ロールプレイは英会話のための優れたトレーニング法ですが、1人で行う場合はどうしても不都合が出てくるものです。1人ロールプレイのデメリットとそれを解決するための方法について解説します。
ロールプレイを1人で行うことのデメリット
ロールプレイを1人で行うことにはデメリットもあります。
具体的には次のようなことがあげられます。
- 作成した台本(スクリプト)の英文が正しいかどうかわからない
- モデル音声がないため、実際の会話では聞き取れない可能性がある
- 発音やイントネーションに気を付けても間違っている可能性がある
では簡単に説明します。
作成した台本(スクリプト)の英文が正しいかどうかわからない
いろいろ調べながら作成した台本(スクリプト)とはいえ、自分が作成した以上、間違いが含まれている可能性があります。
文法面だけではなく内容面においても不自然な点があるかもしれません。
ここが1人でロールプレイを行う際の大きなデメリットです。
モデル音声がないため、実際の会話では聞き取れない可能性がある
普段からリスニング力を鍛えていても、聞き慣れない単語や表現が音で流れてきたら、反応できない可能性があります。
見ればわかるのに、聞けば認識できない、というパターンです。
自作の台本(スクリプト)でロールプレイを行うのであれば、どうしてもモデル音声のないトレーニングになってしまいます。
発音やイントネーションに気を付けても間違っている可能性がある
発音やイントネーションに気を付けながらロールプレイを行っていても、モデル音声がないと我流の音で発話してしまう可能性があります。
音に関しては少々不自然でも状況から伝わることが多いですが、どこかで修正しない限り間違った音は間違ったままです。
これもモデル音声がない中でのトレーニングのデメリットだと言えます。
オンライン英会話の講師にチェックしてもらう
1人ロールプレイのこうしたデメリットを解消するために利用したいのがオンライン英会話です。
オンライン英会話ではカリキュラムにロールプレイを取り入れているところが多いですが、仮にカリキュラムにない場合でも講師に頼めばやってくれます。
レッスン内容をカスタマイズできるのがオンライン英会話のメリットでもありますので、有効に利用しましょう。
例えば、
- 文法や内容のチェック
- 発音やイントネーションのチェック
- 台本(スクリプト)にはない表現の提供
- その他フィードバック
など、1人ではできない部分をフォローしてくれます。
相手がいることで気付くことも多いので、オンライン英会話を利用することで得られるメリットは大きいです。
1人ロールプレイだと不安という場合は、オンライン英会話を利用してみてはいかがでしょうか。
ロールプレイを取り入れているオンライン英会話を3つご紹介しておきます。
・Kimini英会話:接客で必要な英語をロールプレイで鍛えることができます。レストランやカフェなどで働いている方にはピッタリです!
・スタディサプリENGLISH オンライン英会話セットプラン:アプリで学習したフレーズを使うため、初心者でもスムーズに学習できるのが特徴です。
・DMM英会話:ある一つのトピックについて状況と役割だけ与えられて講師とロールプレイします。ロールプレイができるのは一部の教材です。
スタディサプリENGLISHについては以下の2つの記事で詳しく解説していますので、そちらもあわせてご覧ください!
まとめ
この記事では『英会話にはロールプレイが効果的』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
英会話学習におけるロールプレイとは、英会話のシチュエーションを設定し、話者として役割を演じることで、英語を話す力を伸ばすトレーニング法のことです。
ロールプレイには主に次の2つのメリットがあります。
- 実際の状況に合った表現を引き出しやすくなる
- 実際の状況で足らない部分を知ることができる
ロールプレイを始める前に文法をマスターしておきましょう。
1人ロールプレイは次の5つのステップで行います。
- 台本(スクリプト)を作る
- 台本(スクリプト)を音読&暗唱する
- 役割Aを演じる
- 役割Bを演じる
- 役割Aと役割Bの両方を演じる
ロールプレイのための台本(スクリプト)を自分で作るのが難しいのであれば、市販の教材を利用するのも一つの方法です。
自分にとって必要性の高いシチュエーションを優先的にロールプレイしましょう。
ロールプレイを行う際には次の2点に注意します。
- 場面をイメージしながら行う
- 発音やイントネーションに気を付ける
ロールプレイを1人で行うことには、次のようなデメリットがあります。
- 作成した台本(スクリプト)の英文が正しいかどうかわからない
- モデル音声がない中での練習なので、実際の会話では対応できない可能性がある
- 発音やイントネーションに気を付けても間違っている可能性がある
こうしたデメリットを解消し、ロールプレイの効果を最大限に高めるために、オンライン英会話を利用しましょう。
DMM英会話ではロールプレイを取り入れています。
以上となります。