英語を英語のまま理解すること。これはすべての英会話学習者が目指すところですよね。
しかし、ただたくさん学習するだけでは、いつまで経っても日本語から離れることができません。
そこでこの記事では、英語を英語のまま理解できるようになるための方法について解説します。
これができれば、英会話力は見違えるほどアップするはずです。
理想は英語を英語のまま理解すること
英語を英語のまま理解するとはどういうことなのか?それができるためには何をすればよいのか?について説明します。
英語を英語のまま理解するとは?
英語を英語のまま理解するとは、要するに「日本語を介さずに英語を処理すること」を意味します。
日本語を介す場合(A)と介さない場合(B)で比較してみます。
<英語を聞くとき>
(A)「英語」→「日本語」→理解
(B)「英語」→理解
<英語を話すとき>
(A)「言いたいこと」→「日本語」→「英語」
(B)「言いたいこと」→「英語」
(A)は初級~中級の英会話学習者に当てはまるタイプで、(B)は上級者やネイティブが当てはまるタイプになります。
もちろん、目指したいのは(B)です。
英語を英語のまま理解することのメリット
英語を英語のまま理解することには、次のようなメリットがあります。
- 反応が早くなる
- 自然な英語が話せるようになる
では、順に説明します。
反応が早くなる
日本語を介さない分だけ反応が早くなるのは、先ほどの比較から明らかです。
「聞く」ときも「話す」ときもより早く反応できるため、それだけスムーズに英会話を進めることができます。
確かに、日本語を介したとしてもその処理を素早く行えばよいわけですが、それには限界があります。スピードにおいては、日本語を介さない処理にはかないません
自然な英語が話せるようになる
日本語が入ってくると、少なからず不自然さが出てしまいます。なぜなら、日本語と英語は一対一に対応していないからです。
例えば、次のようなことを言いたいとします。
私たちは昨日、野球をやりました。
日本語にとらわれすぎると、次のような英文を作ってしまう可能性があります。
We did baseball yesterday.
これでも通じるとは思いますが、普通はこういう表現は使いません。
自然なのは
We played baseball yesterday.
になります。
このような簡単な文であればこういった間違いはしないかもしれませんが、内容が少し複雑になると十分あり得ることです。
しかし、逆に考えると、自然な英語を話すためには、日本語を介在させなければよいということ。
これまで日本語ありきでやってきたのであれば難しく感じるかもしれませんが、次にご紹介する方法なら慣れると難なくできるようになります。
イメージで解決する
英語を英語のまま理解する最も有効な方法はイメージを利用することです。
具体的には、先ほどの「日本語」の部分を「イメージ」に置き換えます。
以下のような感じです。
<英語を聞くとき>
「英語」→「イメージ」→理解
<英語を話すとき>
「言いたいこと」→「イメージ」→「英語」
これで日本語は使わないで済みます。
しかも、「日本語」という言語よりも「イメージ」というビジュアルのほうが、脳は圧倒的に早く処理できます。
目指すべくは This is a pen.
次の英文なら日本語を介さずに、すぐにイメージできますよね?
This is a pen.
おそらく、この英文が音声で流れてきた瞬間に、机の上にペンが置かれているような光景がパッとイメージできるはずです。
話すときも同じで、「これはペンです」と言いたい場合に
「これ」→ This
「は」→ is
「ペン」→ a pen
なんてことはやらないと思います。
「言いたいこと」→「イメージ」→「英語」が難なくできるはずです。
あくまでこれは一つの例に過ぎませんが、目指したいのはこれと同じことになります。
「イメージ」⇔「英語」
これこそが英語を英語で理解するという状態です。
海外経験者が英語を英語のまま理解できる理由
海外経験のある人が英語を英語のまま理解できるのは、そこでの生活において言語とイメージが常に結び付いているからだと考えられます。
英語が使われる現場に自身が直接かかわっているため、イメージを切り離すことはできませんよね。
それに対して、海外経験がない人は自身が関わらない状態で英語という言葉だけに接することになります。書籍で学んでいても、そこにはリアルなイメージなどありません。
だからこそ、国内でしかも独学で英会話をマスターしようとするのであれば、意図的にイメージを作り出して学習していくしかないのです。
海外経験者との差を完全に埋めることはできませんが、イメージと結び付けた学習を続けることで、彼らに近づくことはできます。
イメージを取り入れた学習の手順
英語を英語で理解するためにイメージが重要であることがわかりました。ここでは、イメージを取り入れた学習の具体的な手順についてお伝えします。
まずは瞬間英作文で英文を作れるようにする
イメージを取り入れた学習をする前に、まずは正しい文法で英文を作れるようになっておきましょう。
基本的な英文も作れない状態で、イメージから英語を自由自在に作り出せるわけがないからです。
やるのは「瞬間英作文」です。
瞬間英作文のやり方については以下の記事を参考にしてください。
瞬間英作文のトレーニングは時間がかかりますが、手を抜かずにやりましょう。
繰り返しになりますが、英文が作れないと、イメージを取り入れた学習は始まりません。
瞬間英作文のトレーニングでイメージを取り入れない理由
瞬間英作文をやるときにイメージを取り入れた学習をすればよいのでは?と考えてしまいますよね。でも、これはやりません。
瞬間英作文は日本語を英語に変換するトレーニングですが、この変換の過程でイメージを挟んでしまうと、文法がぶれてしまう可能性があるからです。
例えば、「独立所有格」の練習をするページに次のような日本語があったとして、これを英語に変換するとします。
あのスマホはあなたのものですか?
これを日本語に忠実に英語にすると次のようになります。
Is that smartphone yours?
ところが、日本語から次の2つのものをイメージしたとしましょう。
- スマホ
- あなた
すると、次のような英語を作ってしまう可能性が出てきます。
Is that your smartphone?
この英文は正しいわけですが、これでは「独立所有格」という文法事項を練習している意味がありません。
この例のように、イメージからは複数の表現が可能になるため、文法事項別に学習する瞬間英作文には不都合なわけです。
ですので、瞬間英作文をやる際は、イメージを挟むのではなく、日本語に忠実に英語に変換するのが基本になります。
もちろん、イメージを挟みながら日本語に忠実に英語に変換できれば理想ですが、難しくなるのでおすすめはしません。
イメージを取り入れた学習は、あくまで瞬間英作文が終わってから行います。
イメージを取り入れた練習
瞬間英作文が終わって、基本的な文法がひととおり使いこなせるようになったら、いよいよイメージを取り入れた学習です。
といっても、やり方は極めてシンプルですので、身構える必要はありません。
やるのは
「言いたいこと」→「イメージ」→「英語」
これだけです。
いくつか例をあげてみます。
【例①】
言いたいこと → 女性が本を読んでいる様子
↓
↓
She is reading a book.
【例②】
言いたいこと → 人々が会話をしている様子
↓
↓
They are having a conversation.
ここではシンプルな例をあげましたが、どんな内容であってもやり方は同じです。
これは慣れですので、数稽古しかありません。
ちなみに、聞く際の
「英語」→「イメージ」→理解
の練習もあわせて行うとより効果的です。
こちらはそれほど難しくないと思います。
学習効果をより高めるために意識したいこと
学習効果をより高めるために、イメージを取り入れた学習を始めてからぜひ意識しておきたいことがあります。
それは、他の単語や表現が使えないかを常に考えることです。
これをやることで、一つのイメージからいろんな単語や表現が出てくるようになります。
例えば、次のような英文を作ったとします。
She is a good pianist.
(彼女はピアノが上手です。)
すると、この英文について
- good → great にして使うこともできる
- She plays the piano well. と言い換えができる
- バイオリンなら pianist → violinist にするとOK
みたいな感じでやっていくわけです。
そして、気になったものがあれば調べます。
この練習を続けていくことによって、ある単語や表現でつまづきそうになっても、すぐに別の単語や表現で切り抜けることができるようになりますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
この記事では『英会話はイメージで飛躍する』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
英語を英語のまま理解することができれば、次のようなメリットがあります。
- 反応が早くなる
- 自然な英語が話せるようになる
英語を英語のまま理解する最も有効な方法はイメージを利用することです。
イメージを取り入れた学習に入る前に、瞬間英作文をやって正しい文法で英文を作れるようになっておきましょう。
他の単語や表現が使えないかを常に考えることで、学習効果がより高まります。
以上となります。