瞬間英作文がTOEICに効果があるのかどうか気になりますよね。
これについては意見が分かれていますので、僕なりに考察してみたいと思います。
ぜひ参考にしてください。
効果に対する意見の相違
瞬間英作文はTOEICに効果が「ある」という人と「ない」という人がいますので、それぞれの意見について考えてみたいと思います。
効果が「ある」という人の意見
効果が「ある」という人の意見をまとめてみると次のような感じです。
- 瞬発力が付くことで「聞く」「読む」の理解スピードが上がるから
- 文法の運用力が身に付くことで英語の総合力が上がるから
- 英語を英語のまま理解できるようになるから
- 文頭から理解するクセが付くから
では順に見ていきましょう。
瞬発力が付くことで「聞く」「読む」の理解スピードが上がるから
瞬発力が付くのは瞬間英作文の大きな効果の一つです。
日本語から英語に素早く変換するトレーニングをしますので、自分が言いたいことをパッと英語で表現できるようになります。
これは文法の処理能力がアップしたためですが、これによって英語を聞いたり読んだりといった受信能力も向上するため、TOEICのスコアアップにつながるのは自然なことです。
文法の運用力が身に付くことで英語の総合力が上がるから
瞬間英作文は文法の知識を使って英作文するトレーニングです。
文法は「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能すべてに必要ですので、文法の運用力が身に付くことで英語の総合力が上がるのは理にかなっています。
そのため、瞬間英作文をやることでTOEICのスコアがアップするのは何も不思議なことではありません。
ただ、効果がない人もいますので、これについては後ほど解説します。
英語を英語のまま理解できるようになるから
日本語を介さず英語を英語のまま理解できるということは、すなわち「英語脳」を持っていることを意味します。
英語脳を獲得できれば聞く力も読む力もアップするため、TOEICのスコアアップにつながるのは誰もが納得することでしょう。
しかし、瞬間英作文は「日本語→英語」へ変換するトレーニングですので、瞬間英作文をやったからといってそれだけで英語脳が獲得できるとは思えません。
おそらくそのように主張する本人の感覚的なものだと思いますので、これについては僕は懐疑的な姿勢です。
文頭から理解するクセが付くから
英文を文頭から理解できれば、聞き取りが楽になりますし、より速く読めますので、スコアアップにつながるでしょう。
しかし、「日本語→英語」へ変換するトレーニングをすることで、英文を文頭から理解できるようになる、というのが僕は理解できません。
そもそも日本語と英語では語順が異なりますので、日本語から英語を作り出す練習をすることで、このような効果があるとは思えないのです。
他の学習による効果の可能性があります。
効果が「ない」という人の意見
効果が「ない」という人の意見をまとめてみると次のような感じです。
- スコアが上がらなかったから
- TOEICでは「話す力」が試されないから
- 効果がなくはないが遠回り
では順に見ていきましょう。
スコアが上がらなかったから
実際スコアが上がらなかったわけですから、効果がないと思うのは当然のこと。
確かに、瞬間英作文のやり方に問題はなかったのか、十分なトレーニングをしたのか、というところは気にはなります。
しかし、結果は結果ですのでこれは納得せざるを得ませんね。
TOEICでは「話す力」が試されないから
瞬間英作文が「話す力」を鍛えるトレーニングなのに対して、TOEICでは「聞く力」と「読む力」が試される試験です。
「話す力」を鍛えることで「聞く力」と「読む力」が短期間で大きく伸びるのは考えにくいでしょう。
そもそも、TOEICを受ける上で聞く練習や読む練習をするはずですので、これらの練習による効果のほうが大きいと思います。
こうした理由から、僕もこの意見に賛成の立場です。
効果がなくはないが遠回り
否定的な意見ということで、どちらかというと効果がないと受け取ることができます。
僕もいろいろ調べましたが、この手の内容の意見が最も多かったです。
やはりTOEICのスコアを伸ばすのであれば、聞く練習や読む練習をしたほうが早いと思います。
効果が「ある」と「ない」に意見が分かれる理由
ここでは意見が分かれる理由について考察してみたいと思います。
瞬間英作文以外の様々な学習がスコアアップに貢献する
瞬間英作文をやってTOEICのスコアアップがアップすれば、効果があったと思ってしまいますよね。
しかし、ちょっと冷静になって考えてみる必要があります。
というのは、瞬間英作文だけがTOEICのスコアアップに貢献したわけではないからです。
いろいろやったはず
まさかTOEICのための勉強として瞬間英作文だけしかやらなかった、なんてことはありませんよね?
単語を覚えたり、文法問題を解いたり、リスニング練習をしたり、リーディング練習をしたりと、TOEICの問題に対応するようにひととおり勉強したと思います。
だとしたら、それらの学習すべてがスコアアップに貢献している可能性がある、ということです。
ところが、何せ瞬間英作文を一生懸命やったものだからその効果だと思ってしまい、瞬間英作文はTOEICに効果があると結論づけてしまう人は多いと思われます。
実際は瞬間英作文の効果はほとんどなかったかもしれませんよね?
いろいろやっているのであれば、その中から一部の学習を取り出して、純粋にそれによる効果だと断定することはできないはずです。
つまり、瞬間英作文はTOEICに効果があるという人の意見を受け入れる場合、その人が具体的にどんなことをやってきたのかを確認する必要がある、ということになります。
英語力によって瞬間英作文の効果は変わる
もう一つ考えないといけないのは、その人の英語力によって瞬間英作文の効果は変わるということ。
結論から言いますと
スコアの高い人→瞬間英作文の効果が小さい
スコアの低い人→瞬間英作文の効果が大きい
ちょっと乱暴な振り分けですが、だいたいこんなイメージです。
つまり、伸びしろが関係する
TOEICのスコアが高い上級レベルの人は、リスニングにもリーディングにも対応できるだけの文法運用力をすでに持っている可能性が高いです。
その状態で瞬間英作文をやったとしても、伸びしろはたかが知れています。
逆に、TOEICのスコアが比較的低い初級~中級レベルの人は、文法にあやふやなところが多いはずです。
その状態で瞬間英作文をやることで、文法の運用力が大きく向上し、リスニング力やリーディング力がアップする、ということは十分考えられます。
この差がスコアに反映するわけですね。
そして、スコアがアップすれば効果がある、スコアがアップしなければ効果はない、という意見の差になって表れるのではないかと推測します。
ただ、これは瞬間英作文に焦点を当てて考えた場合です。実際には上記で述べたようにいろんな学習をしているはずなので、瞬間英作文とTOEICを単純に紐づけることはできないと思っています。
瞬間英作文はTOEIC対策には非効率
いずれにせよ、瞬間英作文はTOEIC対策にはおすすめできません。
TOEICのスコアを上げたいならTOEICのための勉強をしたほうが早く結果に表れるからです。
TOEICの問題に対応するだけであれば、見て認識できる、あるいは、聞いて認識できるレベルの文法で事足ります。
話す力を鍛えることにフォーカスした瞬間英作文を、わざわざTOEICのためにやるのは非効率と言わざるを得ません。
瞬間英作文をやる時間を、英語を聞いたり、読んだり、練習問題を解いたりすることに使うことをおすすめします。そのほうが断然早くスコアアップできるはずです。
TOEICのスコアアップにはTOEICに特化した勉強が近回りだと思います。
まとめ
この記事では『瞬間英作文はTOEICに効果ある?』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
瞬間英作文はTOEICに効果が「ある」という人と「ない」という人がいます。
効果が「ある」という人は、瞬間英作文のメリットをいろいろあげていますが、瞬間英作文以外の学習もスコアアップに貢献している可能性があるため、純粋に瞬間英作文の効果だと断定することはできません。
効果が「ない」という人は、瞬間英作文で鍛えるスキル(話す力)とTOEICで試されるスキル(聞く力と読む力)が異なることをあげています。僕もこの意見に賛成の立場です。
英語力によって瞬間英作文のTOEICに対する効果は以下のように変わります。
- スコアの高い人は文法運用力の伸びしろが小さいため、瞬間英作文の効果が小さい
- スコアの低い人は文法運用力の伸びしろが大きいため、瞬間英作文の効果が大きい
瞬間英作文はTOEIC対策には非効率です。TOEICのスコアアップにはTOEICに特化した勉強をしましょう。
以上となります。