瞬間英作文は何回も繰り返していると暗記してしまうので困りますよね。
瞬間英作文は暗記することが目的ではないので、続けるためには何とかしないといけません。
そこでこの記事では、英文の暗記には2つのパターンがあること、および、瞬間英作文で暗記してしまう場合の対処法について解説します。
暗記してしまった例文をただ吐き出すだけの作業からは抜け出せますので、ぜひ参考にしてください。
英文の暗記には2つのパターンがある
瞬間英作文で暗記してしまうのは必ずしも悪いことではありません。英文の暗記には2つのパターンがありますので、これらのパターンと瞬間英作文の関係に焦点を当てて解説します。
応用の利かない暗記
一つ目が応用の利かない暗記。いわゆる丸暗記です。
このパターンの暗記は、覚えている表現をパッと引き出せるのがメリットである一方、覚えた表現しか使えないのがデメリットになります。
例えば、次の表現を丸暗記したとします。
He gave me some money.
(彼は私にお金をいくらかくれた。)
すると、
ある男性が自分にお金をくれた場合に、この表現をパッと引き出してくることができます。
しかし、それ以外のシチュエーションでは使えません。なぜなら、どこをどのように入れ替えるのかといった応用ができないからです。
つまり、1つの表現を覚えたとしたら、1つのシチュエーションでしか使うことができません。
瞬間英作文は文法の知識を利用して自由に英文を作り出すトレーニングですので、このパターンの暗記は瞬間英作文には不都合であることがわかります。
応用の利く暗記
二つ目が応用の利く暗記。
このパターンの暗記は、語句を入れ替えて別の意味を表す表現をいくらでも作り出せる、というメリットがあります。デメリットは特にありません。
先ほどの例文で説明してみます。
He gave me some money.
(彼は私にお金をいくらかくれました。)
ちなみに、この例文はSVOOという第4文型で、
S = He
V = gave
O = me
O = some money
にそれぞれ対応します。
この文の各要素を別の単語と入れ替えてみましょう。
いくつか例をあげてみます。
She made me a nice dress.
(彼女は私に素敵なドレスを作ってくれました。)
I showed Jason my new uniform.
(私はジェイソンに新しい制服を見せました。)
I sent my mother an e-mail.
(私は母にメールを送りました。)
Could you lend me your smartphone?
(スマホを貸してくれませんか?)
My mother cooked me curry and rice.
(母が私にカレーライスを作ってくれました。)
これらの例文はすべて、最初の例文と同じSVOOで表される第4文型です。
このように、応用の利く暗記であれば、最初の例文からいくらでも別の英文を作り出すことができるようになります。
ですので、瞬間英作文の例文を応用の利く形で暗記してしまっているのであれば、特に問題はないということです。
暗記してしまう場合の3つの対処法
ここまでの説明で、瞬間英作文の例文も応用の利く暗記であれば問題ないことがわかりました。しかし、あくまで「暗記」という状態は結果でしかありません。
瞬間英作文は日本語から英語に素早く変換するトレーニングですので、暗記してしまっているとこのトレーニングの効果は薄れてしまいます。
そこで、暗記してしまう場合の対処法について解説します。
文法を意識しながら英作文する
瞬間英作文は文法の知識を使えるようにすることが目的ですので、トレーニングするときは常に文法を意識しながら英作文するようにしましょう。
例文を暗記してしまっていると、日本語の一部を見た瞬間に英文が出てきてしまいがちです。
これを避けるために、日本語全体をしっかり見て、その日本語を文法を使って英語に変換していくことに注力してください。
例えば、
彼は私にお金をいくらかくれました。
という文を英作文するときに
「・・・お金を・・・」だから
He gave me some money.
でよかったな。
などと日本語の一部から英文を引き出すのはNGです。
「彼は」「私に」「お金をいくらか」「くれました」
と文の要素を確認して、これらの要素をすべて含めることを意識して英作文しましょう。
これが文法を使って英文を作るということです。
テキストを変える
暗記してしまっていることがどうしても気になるようであれば、教材を変えてもよいでしょう。
瞬間英作文のやり方として「10周」と書いてあったも、5周した時点で覚えてしまっている例文が多くなってきたら、次の教材に移っても問題ありません。
暗記している英文をそのまま吐き出すことを続けても、効果はほとんどないからです。
他の教材をやっている間に、暗記してしまっている英文も次第に忘れていきますので、その段階でまた戻ってくればよいと思います。
瞬間英作文シリーズの教材をうまく循環させるのも一つの方法ですね。
いったん卒業する
例文を暗記してしまうくらい繰り返しているのであれば、トレーニングとしては十分できていると考えることもできます。
瞬間英作文を卒業して、他の学習に移ってもよいでしょう。
自分に必要な表現をたくさん覚えたり、イメージを取り入れた英作文にチャレンジしたりと、英会話の学習は他にもたくさんあります。
そうした学習をしていく中で必要性を感じた時点で、また瞬間英作文に戻ってくることも考えてみてください。
瞬間英作文を英会話学習における基礎トレーニングの一つと位置づけることで、ずっと続けていくことができるものだと思います。
まとめ
この記事では『瞬間英作文で暗記してしまう問題』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
英文の暗記には次の2つのパターンがあります。
- 応用の利かない暗記
- 応用の利く暗記
瞬間英作文は文法の知識を利用して英文を作り出すトレーニングですので、応用の利く形で暗記してしまっているのであれば、特に問題はありません。
瞬間英作文の例文を暗記してしまう場合の対処法は次の3つ。
- 文法を意識しながら英作文する
- 教材を変える
- いったん卒業する
以上となります。