「ネイティブはこんな表現をしない」
「こんな表現いつ使うんだろう?」
など、瞬間英作文は例文が不自然だと言われているので、これから始める方は迷うかもしれませんね。
しかし、僕の経験上、瞬間英作文は絶対におすすめです。
この記事では、瞬間英作文の例文が不自然でも問題ない理由について解説します。
瞬間英作文の例文が不自然だと言われる理由
瞬間英作文の例文は不自然だと言われますので、ここではその理由について考えてみたいと思います。
文法的な不自然さ
例文が不自然だと言われる理由の一つが文法面。その代表例が「受動態」です。
例えば、次のような例文があったとします。
The product was developed by Mr. Mike.
(その商品はマイクさんによって開発されました。)
この例文を見て、普通は能動態を使うよね?と考えて
Mr. Mike developed the product.
(マイクさんがその商品を開発しました。)
としたくなりますが、必ずしも能動態が自然だとは限りません。受動態のほうが自然な場合もあるからです。
最初の例文を使う場面を考えてみてください。
例えば、商品説明のデモやプレゼンなどでは商品がフォーカスされるのが普通です。
しかし、その商品が業界で有名な人が開発したとなると、その人の名前を出したくなりますよね。
その場合、商品を開発した人を、話の自然な流れで登場させるために、能動態ではなく受動態を使ったりします。
Mr. Mike …
(マイクさんが…)
といきなりマイクさんの名前が出てくるのは唐突だからです。
これは一つの例に過ぎません。
ここでは受動態を出しましたが、これは一つの例に過ぎません。
文法的に不自然に感じたり感じなかったりするのは、その文法事項が使われる状況によっても変わってきますので、短絡的な判断は避けたいものです。
内容的な不自然さ
例文が不自然だと言われるもう一つの理由が内容面。
これは仕方のないことだと思います。
瞬間英作文の教材は、内容的に関係のない例文が並んでいます。ですので、一文だけで自然さを出すのはどう考えても不可能です。
その一文だけでは不自然でも、ある内容を持った複数の英文の中にその一文があると、何ら不自然にはならなかったりします。
もし内容が不自然だという理由で問題があるとしたら、それは例文を暗記してそのまま使おうとしているからです。先ほども述べましたように、瞬間英作文は暗記する教材ではありません。
瞬間英作文は英文を自由に作り出せるようになるためのトレーニングです。
文法が使いこなせるようになればよいわけなので、内容が不自然であってもまったく問題はありません。
瞬間英作文の本来の目的を考える
瞬間英作文の本来の目的を考えれば、例文が不自然でも問題はないことがわかります。
例文は不自然でも文法が使えるようになればOK
改めてですが、瞬間英作文の本来の目的は「文法を駆使していろんな英文を自由自在に作り出せるようになること」です。
これが達成できればよいわけで、瞬間英作文はそのための手段に過ぎません。
例えば、次のような英文があったとします。
I showed him my smartphone.
(私は彼にスマートフォンを見せた。)
この英文で身に付けたいのはSVOOという文型です。
つまり、この英文は
「主語+動詞+人+もの」という形で
「主語」が「人」に「もの」を「…する」
という意味を表す英文を作り出すための一つの例文に過ぎません。
つまり、その内容でなく、SVOOという形をマスターすれば役割は果たせたことになります。
これを中学英文法のすべての文法事項に対して行うことで、だいたいどんなことでも話せるようになる、というのが瞬間英作文の考え方です。
ですので、上記の英文に対して
・スマホを見せてどうするの?
・スマホを見せる機会なんてそんなにないでしょ?
なんてことは気にしなくてよいのです。
暗記する教材ではない
瞬間英作文は英文を自由に作り出せるようになることが目的のトレーニングですので、例文の内容が自然かどうかは問題ありません。
仮に例文が自然であっても覚える必要はない、ということ。
そもそも瞬間英作文の例文は覚えることを想定して作られているわけではないので、暗記してもほとんど意味がありません。
何度も繰り返していくと覚えてしまうかもしれませんが、それはあくまで結果です。
自然な表現を覚える作業は別の教材を使って行いましょう。
自然な英語は別のところで
とはいえ、やっぱり自然な英語を身に付けたいものですよね。ここではそのための考え方についてお伝えします。
自然な英語は後からでOK
ノンネイティブはネイティブのようにいつの間にか英語が話せるようになっている、なんてことはあり得ません。
ノンネイティブにはノンネイティブに適した、英会話をマスターするためのやり方があります。
文法を学んで瞬間英作文をやるという手順は理にかなっていますので、特に英会話学習の初期においては文法と瞬間英作文は絶対にやっておくべきです。
自然な英語は身に付かないかもしれませんが、この段階では特に問題はありません。
不自然な英語でもいいので、自分の言いたいことをしっかり相手に伝えられるようになるのが先です。自然な英語を身に付けるのはそれからでもよいと思います。
これからたくさん英語に触れていく中で自然な英語は自然に身に付いていきますので、それまではやるべきことをやっておくことです。
自然な英語は表現集でも身に付く
自然な英語を身に付けるためのもっとも手っ取り早い方法は、自然な英語表現を覚えることです。
この作業では、不自然な例文が多い瞬間英作文用の教材ではなく、実践で使える表現を集めた教材を使います。要するに市販の表現集ですね。
表現を覚える過程で何度も音読したり、暗唱したり、音声を聞いたりすることで、自然な英語の感覚が養われていきます。
ですので、とにかく覚えればOKという意識でやみくもに暗記するのではなく、表現を覚える過程も大事にしないといけません。
ちなみに、「表現を覚えること」と「瞬間英作文」は英会話学習の二大柱と僕は考えています。
仮に不自然だとして何か問題ある?
そもそもノンネイティブが独学によって常に自然な英語を話せるようになるのはほぼ不可能です。
ところどころ不自然な英語を話すとして、何か問題があるでしょうか?不自然であっても通じる英語が話せるのであれば、それで問題ないと思いませんか?
自然な英語は目指すべきですが、結果的に不自然になるのは仕方のないことです。もしそれでも不満というのであれば、海外生活をしたほうが早いかもしれません。
このブログでは独学で英会話をマスターする方法を紹介していますが、それは僕自身が海外経験がなく独学で英会話を身に付けてきたからです。
通じる英語が話せること。これが一番大事だと思います。
まとめ
この記事では『瞬間英作文の例文が不自然?』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
瞬間英作文の例文が不自然だと言われる理由には文法的な側面と内容的な側面があります。
瞬間英作文の本来の目的は「英文を自由自在に作り出せるようになること」なので、例文が不自然でも問題はありません。
瞬間英作文は暗記する教材ではありません。
まずは自分の言いたいことを話せるようになっておきましょう。自然な英語を身に付けるのはそれからでもよいでしょう。
自然な英語は表現集で表現を覚える過程でも養えます。
仮に話す英語が不自然であっても問題はなく、通じる英語が話せることが一番大事です。
以上となります。