英会話をマスターするために表現を増やすことを考えていても、何から始めてよいのか迷いますよね。
僕も以前はとにかくたくさん覚えればよいと思っていましたが、そのやり方では非効率であることがわかりました。
今は無駄なく表現を増やす方法を知っていますので、それをこの記事ではご紹介します。
使える表現がどんどん増えていきますので、ぜひ参考にしてください。
表現を増やすための考え方
ここでは、表現を増やすことにはどんなメリットがあるのか、何から覚えていけばよいのか、についてお伝えします。
表現を増やすことのメリット
表現を増やすことの最大のメリットは「英会話が楽になること」です。
理由は簡単で、知っている表現をそのまま吐き出せばよいから。そのままでなくても少しアレンジするだけで、言いたいことが話せるようになります。
例えば、外国人が禁煙区域でタバコを吸っていて、それを注意したい場合を考えてみてください。
もし、次のように単語を並べるだけだと、誤解を招くかもしれません。
smoking, no …
これだと、自分が嫌だからタバコを吸うのをやめるようお願いしているようにも取れるからです。
これは次の表現で済みます。
Smoking is prohibited here.
(ここではタバコは禁止されています。)
あるいは
This is a non-smoking area.
(ここは禁煙区域です。)
タバコの禁止を伝える表現は他にもありますが、こうした文を一つでも知っていることで、誤解なくメッセージを伝えることができるのです。
英文をゼロから組み立てるのは大変
もし表現を覚えていないで、英文をゼロから組み立てるとなると大変です。
具体的には次のような不都合が生じます。
- 文法を間違えると意味も違って伝わってしまう
- 英文を作るのに時間がかかるため会話がスムーズに進まない
毎回これだと苦しいですね。
一つの会話において覚えている表現だけで対応するのは不可能ですが、ところどころ覚えている表現をはさむだけでも、英会話は断然楽になります。
そして、使える表現が増えるにしたがって英会話が楽になっていくことを考えると、たくさん覚えたほうがいいのは言うまでもないことです。
自分が関係する分野の表現を優先的に覚える
とはいえ、やみくもに表現を覚えても遠回りになります。いつ使うかわからないような表現を覚えてもあまり意味がないからです。
そこで、自分に関係のある分野の表現を優先的に覚えることをおすすめします。
例えば、
- 飲食店で働いている→「飲食店」でよく使われる表現を覚える
- ホテルで働いている→「ホテル」でよく使われる表現を覚える
- 鉄道で働いている→「鉄道」でよく使われる表現を覚える
- 道案内ができればよい→「道案内」でよく使われる表現を覚える
- 海外旅行をする→「旅行」でよく使われる表現を覚える
みたいな感じです。
こうすれば、自分に必要な表現を無駄なく増やしていくことができます。
表現を増やす前にやっておくこと
英会話の勉強では表現を増やすことが大事ですが、いきなり覚え始めるのではなく、まずやっておきたいことがあります。
まずは文法をマスターする
表現を覚える作業に入る前に文法をマスターしておきましょう。
文法を理解していないと、覚えた表現が応用できないからです。
例えば、表現を10個覚えたとしたら、10個のパターンしか使えません。
しかし、文法を理解していると10個覚えただけで、無数に表現を作り出すことができるようになります。
例えば、
I made him wash the dishes.
(私は彼に皿洗いをさせた。)
という表現を覚えたとします。
ちなみに、この文は make という動詞を「使役」という働きで使っています。
すると、皿洗いだけでなく「人に…させる」という使役を表す様々な表現が可能になります。
例えば、
I made him work late.
(私は彼に残業させた。)
I made my daughter do her homework.
(私は娘に宿題をさせた。)
など、make の使い方を一つ知っているだけで、いくらでも英文を作り出せるのです。
このように、文法を理解していれば表現の応用が利きますので、ぜひ文法は最初にマスターしておきましょう。
もし文法をマスターしないと
もし文法を理解していないと、覚えた表現が応用できないだけでなく、覚えること自体が難しくなります。
英文の仕組みがわからないと、単なる英単語の羅列を頭に詰め込む作業になるからです。この状態だと仮に覚えたとしても、すぐに忘れてしまいます。
先ほどの英文を見てみましょう。
I made him wash the dishes.
(私は彼に皿洗いをさせた。)
「make+人+動詞の原形」という形で「人に…させる」という意味でした。
もしこの形を知らないと、
I → made → him → wash → the → dishes
みたいに順番を頭に入れるような感じになります。これ覚えられますか?
また、この英文の意味である
「私は彼に皿洗いをさせた。」
を頭に入れても、今度はこの日本語訳から英文を引き出すことができるでしょうか?
これではなかなか表現が増えていかないですよね?
なので文法は理解できるようになっておかないといけないのです。
文法をマスターしておくと、表現を覚えるための負荷が大幅に軽減されます。
表現を増やす具体的方法
ここでは表現を増やすための具体的な方法をご紹介します。
市販の教材を使う
表現を増やすための学習は、市販の教材を使うと便利です。
使える表現がたくさん掲載されているため、効率的に吸収できるというメリットがあります。
教材にもよりますが、一冊にだいたい数百もの表現が掲載されていますので、仮にこれを全部覚えたとすると、少なくともその分野についての会話には不自由しないでしょう。
様々な分野の表現集が販売されていますので、自分に必要な分野のものを探してみましょう。
最初から全部覚える必要はない
教材に掲載されている表現を最初から全部覚えようとする必要はありません。
教材は網羅性を重視して作られていることが多いため、自分があまり使わないような表現もたくさん含まれているからです。
とりあえず何周かしてみて、自分が必要だと判断したものから優先的に覚えていけばよいでしょう。
そして、余裕があればそれ以外の表現も覚えていく、という姿勢でよいと思います。
できれば音声付きのものを
CD付きでも音声ダウンロード版でもかまいませんので、できれば教材は音声付きのものを選びましょう。
目や口だけでなく、耳からも情報を取り入れたほうが覚えやすいからです。
特に、外出中などで表現を口に出すことができなくても、ヘッドホンやイヤホンで音声を聞くことで学習ができます。
英会話学習の中で表現はたくさん覚えていくものですので、いかにして記憶に残していくかがポイントです。そのために音声はとても役立ってくれますので、うまく活用しましょう。
出くわした表現を覚えていく
表現の教材以外でも、普段の学習の中で気になった表現は覚えていきましょう。
特に自分が使えそうだと思った表現は覚えやすいだけでなく、実際に使いやすい場合が多いです。
そうした表現はチェックして表現専用のノートなどに記録していくとよいでしょう。
また、「コレ英語で何て言うんだろう?」というものがあれば、文法書などで確認しながら記録していくと表現の幅がより広がります。文法を学習していれば「日本語→英語」はそれほど難しくないはずです。
ちょっと面倒ですが、こうした地道な作業によって、表現は確実に増えていきます。
覚えた状態→使える状態
表現は覚えただけで満足してはいけません。頭の中にあっても、使えるとは限らないからです。
ここでいう「使える」とは、実際の英会話で表現がパッと出てくることを意味します。
つまり、覚えた表現を頭の中から瞬時に引き出せる状態にしないといけないわけです。
イメージ、イメージ、イメージ
おすすめの練習は、実際の英会話をイメージしながら表現を口に出すことです。
こうすることで、同じような状況になったときに、表現が引き出しやすくなります。
例えば、次の表現を覚えたとしましょう。
Turn right at the second corner.
(2番目の角を右に曲がってください。)
そして、練習するときは、この表現が使える場面をイメージして口に出します。
普通は、道を尋ねられたときですよね。
そこで、自分の住んでいる地域の特定の場所を設定して、そこで外国人に話しかけられているという場面を頭に浮かべます。
1番目の角にはカフェがあって、2番目の角にはコンビニがある。そのコンビニの角を右に曲がれば目的地に着くことができる。
そういうことを考えながら上の英文を話す、という感じです。
このように体験に近い状態に持っていくことで、圧倒的に頭に残りやすくなる上、引き出しやすくなります。
ちなみに、上記のような場面設定は一つの例に過ぎません。現実でも仮想でもかまいませんので、記憶に残りやすい設定をしてみてください。
まとめ
この記事では『英会話で使える表現を増やす方法』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
表現を増やせば英会話が楽になります。その都度英文をゼロから組み立てるのは非効率です。
なるべく自分が関係する分野の表現を優先的に覚えることをおすすめします。
表現を増やす練習に入る前に文法をマスターしておきましょう。文法が身に付いていないと応用ができないだけでなく、覚えること自体が難しくなるからです。
音声付きの市販教材を使うほか、普段の学習の中で出くわした表現を覚えていきましょう。
イメージしながら表現を口に出すことで、頭に残りやすく、引き出しやすくなります。
以上となります。