瞬間英作文はスピーキング力の向上に効果的な学習法として知られていますが、いろんなやり方が提案されているため迷ってしまいますよね。
しかし、本質的な部分はシンプルですので、難しく考えないでください。
この記事では、瞬間英作文の効果的なやり方について解説します。
このとおりにやれば効果がありますので、ぜひ参考にしてください。
瞬間英作文を始める前に
瞬間英作文を始める前に、まずは文法をマスターしておきましょう。
なぜなら、瞬間英作文は文法の知識を使って行うトレーニングだからです。
文法を理解していない状態で瞬間英作文をやると、正しく英作文することができません。
正しくない英文をどれだけたくさん作っても上達はしませんので、できないことに自信を失くして挫折する可能性があります。
中学レベルでかまいませんので、教材を使ってひととおり文法を学習しておきましょう。
教材の選び方
ここでは瞬間英作文をやるための教材の選び方についてお伝えします。
専用の教材(シリーズ)を使うのが基本
瞬間英作文専用の教材(シリーズになっています)がありますので、基本的にはそれを使いましょう。
今のところ以下のシリーズが販売されています。
- どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
- スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
- ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス
- バンバン話すための瞬間英作文「基本動詞」トレーニング
瞬間英作文が初めての方は、もっともオーソドックスな『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』から始めることをおすすめします。
他の教材を使う場合
上記のシリーズ以外の教材を使うのであれば、次の条件を満たしたものを選びましょう。
- 自分のレベルより低いもの
- 中学レベルの文法事項が網羅されているもの
- 日本語訳と英文が一対一に対応しているもの
それぞれについて簡単に説明します。
自分のレベルより低いもの
ちょっと簡単すぎるかな、と感じるくらいがちょうどよいレベルになります。
瞬間英作文は簡単な英文をたくさん作ることで、文法を使えるようにするトレーニングです。
難しいとなかなか進まず数稽古ができないため、瞬間英作文の教材には向いていません。
中学3年生レベルを上限に教材を見つけましょう。
中学英文法が網羅されているもの
中学1~3年生の文法が扱われているものを選びましょう。
中学レベルの様々な文法を正しく使えるようにするのが目的ですので、文法事項が網羅されていないものは向いていません。
そうなると、文法書などの参考書に限られてくるわけですが、それでよいと思います。
日本語訳と英文が一対一に対応しているもの
瞬間英作文は文法の知識を利用して日本語を英語に変換するトレーニングです。
そのため、日本語訳と英文が文法的に対応していないと、正確に英作文することができません。
意訳されているものは「日本文→英文」に変換したときに、その英文が正しいかどうかの確認が難しいため、避けたほうが無難です。
瞬間英作文の効果的なやり方
瞬間英作文シリーズの教材にもやり方の説明がありますが、ここでは少しアレンジを加えた効果的なやり方をご紹介します。
ただ、基本的な考え方は同じです。
セグメントに分ける
瞬間英作文を始める前に、教材をいくつかのセグメントに分けます。
各セグメントの中で何度もサイクルを回すことで、刷り込みが起こりやすくなるからです。
例えば、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』では、Part1に23項目、Part2に34項目、Part3に22項目、合計79項目の文法事項を扱っていますので、これを以下のようにセグメント分けします。
Part1
- 11項目
- 12項目
Part2
- 10項目
- 12項目
- 12項目
Part3
- 9項目
- 13項目
ちなみに、今回は文法事項の内容を考えて、ちょうどよいところで区切るようにしました。
特に決まりはありませんので、自分なりのルールで分けましょう。
ただし、20項目を5項目と15項目に分けるような極端な分け方は避けるべきです。
本トレーニング
セグメントに分けたら、本トレーニングに入りましょう。
ここでも『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』を例にして説明します。
全ステップは以下のとおりです。
- 日本文を見て英作文
- 英文を見て答え合わせ
- 英文を3回音読
- 英文を3回暗唱
- 1ページ全体を通して英作文
- セグメント全体でサイクル回し
- Part全体でサイクル回し
- 教材全体でサイクル回し
※もし②で間違っていたら①に戻ってやり直します。
※④まで進めば、1つの文が完了です。
ここからは各ステップについて説明します。
①日本文を見て英作文
左ページにある日本語訳を見て英作文します。
このときに必ず文法を意識して英文を組み立てるようにしてください。あくまで文法を使えるようにするのが瞬間英作文の目的です。
単語を適当に並べて結果的に合っていればOK、という考え方はNGですので注意してください。
また、1文に時間をかけないようにしましょう。わからなければすぐに答えを見るようにします。
②英文を見て答え合わせ
右ページにある英文を見て、自分が作った英文と一致するかどうか確認します。
文法に忠実に英作文していれば、一致するはずです。
もし間違っていれば、理解に努めます。理解できない場合は文法が身に付いていないということですので、文法書に戻って学習し直しましょう。
③英文を3回音読
理解ができた英文を3回音読します。
このときにも文法を意識して行いますが、棒読みにならないように気を付けましょう。
④英文を3回暗唱
音読が終わった英文を今度は3回暗唱します。
音読で頭に入れた英文をそのまま吐き出すのではなく、ここでもまた文法を意識して英文を口に出しましょう。
何度か間違えると思いますが、あくまで正しく暗唱できるようになってから3回です。
この作業で一つの文の学習が完了になります。
⑤1ページ全体を通して英作文
1ページ全体(10個の文)について、今度は1回ずつ英作文を行います。
音読と暗唱も1回ずつでOKです。
ただし、間違えた文は音読と暗唱を3回ずつ行いましょう。
ここまでと同じ作業をセグメント内の最後のページまで進めていきます。
⑥セグメント全体でサイクル回し
次に、セグメント全体を通して、各文1回ずつ英作文を行うことを3回繰り返しましょう。
ここまでと同じ作業をPart内のすべてのセグメントに対して行います。
⑦Part全体でサイクル回し
今度は、Part全体を通して、各文1回ずつ英作文を行うことを3回繰り返しましょう。
ここまでと同じ作業を残りのPart2とPart3に対して行います。
⑧教材全体でサイクル回し
最後に教材内のすべての文を1回ずつ英作文を行うことを1回行いましょう。
以上、①~⑧までの作業で教材を1周したことになります。
そして、これを何周も繰り返しますが、最低でも10周はやりましょう。
トレーニングの注意点
瞬間英作文はやり方を間違えると思ったような効果は得られません。また、負荷の大きいトレーニングですので、効果が実感できないと挫折する可能性があります。
そこで、トレーニングにおいては以下のことに注意しましょう。
- 暗記しようとしない
- 必ず声に出す
- 間を空けない
- 音声は使わなくてもOK
- 発音やイントネーションは気にしすぎない
それぞれについて簡単に説明します。
暗記しようとしない
英作文するときは暗記しようとしてはいけません。
瞬間英作文は英文を作れるようにするためのトレーニングですので、暗記してもまったく効果はありません。
文法を意識しながら英文を作ることに専念してください。
必ず声に出す
英作文するときは必ず声に出しましょう。
声に出すことであいまいなところが明確になるからです。
頭の中で英作文するのも悪くはありませんが、基本は声に出すことです。
間を空けない
瞬間英作文のトレーニングを始めたら、なるべく間を空けずに継続しましょう。
あまり間を空け過ぎると、刷り込みが起こりにくくなります。
理想は毎日やることです。
音声は使わなくてもOK
瞬間英作文シリーズの教材にはCDが付いていますが、CDは無理に使う必要はありません。
正しい発音やイントネーションを知る上で音声は有効ですが、利用する手間が発生するため数稽古をする上で非効率だからです。
もし使うのであれば、何周かした後に余裕が出てからでよいでしょう。
発音やイントネーションは気にしすぎない
最初は発音やイントネーションはあまり気にする必要はありません。
発音やイントネーションに注意を向けすぎると、文法への意識がおろそかになります。
ですので、これも余裕が出てきた時点でやればOKです。
ただ、最終的にはどの英文も正しい発音やイントネーションで話せるようにしましょう。
まとめ
この記事では『瞬間英作文の効果的なやり方』について解説してきました。ここでポイントをまとめておきます。
瞬間英作文は文法の知識を使って行うトレーニングですので、始める前に文法のマスターは必須です。
瞬間英作文用の教材がシリーズで販売されていますので、基本的にはそれを使いましょう。
もし他の教材を使うのであれば、以下の条件を満たしたものがおすすめです。
- 自分のレベルより低いもの
- 中学レベルの文法事項が網羅されているもの
- 日本語訳と英文が一対一に対応しているもの
繰り返しによる刷り込みが起こりやすくするため、まずは教材をいくつかのセグメントに分けます。
本トレーニングの全ステップは以下のとおり。
- 日本文を見て英作文
- 英文を見て答え合わせ
- 英文を3回音読
- 英文を3回暗唱
- 1ページ全体を通して英作文
- セグメント全体でサイクル回し
- Part全体でサイクル回し
- 教材全体でサイクル回し
トレーニングでは以下のことに注意しましょう。
- 暗記しようとしない
- 必ず声に出す
- 間を空けない
- 音声は使わなくてもOK
- 発音やイントネーションは気にしすぎない
以上となります。